タバコも薄毛の原因なのか?口から吸うものなのに頭に関係あるのか?と不思議に思っているかとも多い事でしょう。タバコの害が薄毛にまで直結しているとしたらとても問題です。
タバコと薄毛の関係をしっかりと説明していきます。
1、タバコは薄毛を進行させる?
結論から言いますとタバコと薄毛は密接に関係していると言えます。
タバコでの薄毛の原因は主に4つあります。
①頭皮の血管を収縮させる
タバコにはさまざまな有害物質が含まれますが、その中でもニコチンは、血管を収縮させる作用があります。
頭皮の血管も例外ではありません。
血管が収縮すると、髪の毛の育成・成長に必要な栄養が十分に届かなくなり、抜け毛・薄毛につながりやすくなります。
②男性ホルモンの分泌を促す
薄毛の中でも男性に多い男性型脱毛症(AGA)は、男性ホルモンのテストステロンが酵素によりジヒドロテストステロン(DHT)に変化し、これが受容体と結びつくことでヘアサイクルを乱し、薄毛が進行するという仕組みでおこります。
非喫煙者と喫煙者では、喫煙者の方が男性ホルモンが多いという研究結果があるようです。男性ホルモンが多いだけですぐにAGAになるわけではありませんが、薄毛になりやすい条件が揃っているとは言えます。
③ビタミンを消費する
タバコに含まれる多くの有害物質は、体内ビタミン類を大量に消費してしまいます。
髪の毛の育成・成長に特に重要なビタミンとしては、血行促進をするビタミンE、抗酸化作用やビタミンEの吸収促進の働きがあるビタミンC、そして髪の毛の生成に関わるビタミンB12などがあります。
喫煙によりこれらのビタミン類が消費されることで、髪の毛の育成・成長に悪影響を及ぼす可能性があります。
④肝臓の機能を低下させる
肝臓は、体に有害な成分を処理したり、食べたものを体に必要な成分に変換したりする働きがあります。
タバコを吸うと、多くの有害物質が体内に取り込まれるため、肝臓はこれらの処理で手一杯で、通常の働きができなくなります。結果、体に害のある成分が残ったり、必要な栄養が変換されなかったりして、髪の毛の育成・成長にもダメージを与えてしまいます。
以上のように、タバコに含まれる有害物質は、血流を悪くしたり、脱毛の原因になる男性ホルモンを増加させる働きがあります。タバコは十分薄毛の進行の原因であると言えるでしょう。
2、たばこの三大有害物質とは?
タバコには多くの有害物質が含まれますが、特に悪影響が大きいのが次の三つの物質です。
①タールは発がん性物質?
タバコの煙は、人にがんを起こすことが証明されています。
タバコの煙の中には多量のタールが含まれています。タールは油のようなべたつきのある物質です。
タバコを吸うことにより、このタールが喉や肺に付着し、がんを起こしやすくなります。
②一酸化炭素は動脈硬化の原因
タバコの煙には多量の一酸化炭素が含まれています。一酸化炭素は、血液中で酸素を運ぶ役割のあるヘモグロビンと結合し、ヘモグロビンが酸素を運べなくなり、血液中の酸素が不足します。また、一酸化炭素は血液中の善玉コレステロールを減少させ、動脈硬化の要因にもなってしまいます。
③ニコチンの依存度について
ニコチンは、タバコに含まれる有害物質の中でも、体への影響が早く出やすく、依存性の高い物質です。タバコがなかなかやめられないのは、このニコチンの依存性が大きく影響しています。
3、たばこと薄毛の関係
タバコを吸うことと薄毛の関係について、もう少し詳しく見ていきましょう。
①男性ホルモンジヒドロテストステロンの増加促進
前述の通り、喫煙者は、男性ホルモンテストステロンが酵素によって変化した物質、ジヒドロテストステロンが多い傾向にあるという研究結果があります。このジヒドロテストステロンが受容体と結びつくことで、ヘアサイクルが乱され、抜け毛と薄毛が進行する男性型脱毛症(AGA)が起こります。
ジヒドロテストステロンと受容体の結びつきやすさは、遺伝などにより個人差がありますが、ジヒドロテストステロンが多いことで薄毛になる可能性は上がってしまいます。
②必須ビタミンが失われる
必須ビタミンとは、体内で生成することができず、食品などにより摂取することが必要なビタミンです。
10数種類のビタミンが必須ビタミンとなっていますが、特に髪の毛の育成・成長に関わりの大きいのは、ビタミンC・ビタミンE・ビタミンB12などです。しかし、タバコを吸うことでこれらのビタミンが消費されてしまいます。
そうすると、当然、髪の毛の育成・成長も滞り、薄毛になりやすくなります。
③肝臓の機能を低下させる
肝臓は、体内の有害な物質を処理し、体に必要な栄養を変換により作り出す、重要な臓器です。しかし、タバコを吸うことで多量の有害物質が体内に入り、これらを処理することで肝臓の機能が追われ、その他の働きが低下してしまいます。
その結果、体内に有害物質が残りがちになったり、必要な栄養が不足してしまったりします。
④血液中の悪玉コレステロールが増加
タバコの煙には一酸化炭素が含まれています。一酸化炭素は、体内で善玉コレステロールを減少させてしまい、コレステロールのバランスが乱れ、悪玉コレステロールの増加を招いてしまいます。
⑤頭皮の血管を収縮させる
タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させる作用があります。頭皮の血管も収縮させてしまい、髪の毛の生育・成長に必要な栄養が不足することにより、薄毛になりやすくなります。
⑥禁煙する事での過度なストレス
タバコは体に良くない、薄毛にもよくないということで、いきなり無理な禁煙を始めてしまうと、それがストレスになって、頭皮環境を悪化させてしまうということもあります。禁煙は大事なのですが、ストレスをできる限り減らせるようにすることも大事です。
4、禁煙すれば薄毛は改善される?
タバコが薄毛に大きく影響するということは分かりましたが、では、禁煙をすれば薄毛は改善されるのでしょうか。結論から言うと、薄毛が改善されるというよりは、薄毛の進行を止めるということになります。
①喫煙者の薄毛の確率は?喫煙者は薄毛の人が多いの?
前述のAGAの原因となり得るジヒドロテストステロンの増加について、アメリカ・ハーバード大学の研究では、喫煙者は非喫煙者に比べてジヒドロテストステロンが13%程増加するという結果があるようです。また、別の研究では、タバコをよく吸う人はAGAになる確率が高い、ニコチンによりAGAが重症化する可能性なども指摘されています。
AGAに関する研究が進められていますが、他の薄毛についても、タバコが悪影響を与えることは間違いありません。
②禁煙は薄毛改善の第一歩
禁煙により、今までタバコを吸うことで頭皮に与えていたダメージをストップできます。よって、薄毛の進行が緩やかになる可能性は高く、進行をいったんストップできる可能性もあります。
しかし、禁煙で薄毛が改善されるわけではありません。薄毛の進行をとどめながら、一方で髪の毛の育成・成長を積極的に進めるための薄毛対策が必要になります。
5、禁煙の仕方も大切?過度なストレスは薄毛の原因に、、、、
最近は「禁煙外来」など専門機関で禁煙ができるところも増えています。過度なストレスは逆に薄毛を進めてしまう可能性もあるので、専門医などに相談しながら、ストレスを軽減した禁煙ができると良いでしょう。
①禁煙の仕方
禁煙では、まず、喫煙をしてしまう生活パターンや生活環境を変えることと、喫煙の代わりになる行動を行うことが基本です。一人ではなかなか難しくても、専門機関などで定期的に相談しながら進めることで、達成しやすくなります。
また、禁煙補助剤を使用することもあります。禁煙補助剤は、ニコチンを含むものの他、ニコチンを含まないものもあります。後者は、ニコチン切れの症状を軽くしたり、タバコをまずく感じさせたりするものです。
②禁煙治療は保険適応
禁煙治療は、条件を満たせば保険が適用されるため、費用を抑えて行うことが可能です。
・治療内容
禁煙治療は12週間、全5回が基本となっています。
初回では、まず、ニコチン依存症のチェックを行います。これで条件を満たせば、禁煙治療に保険が適用される可能性が高くなります。また、呼気中の一酸化炭素量のチェックも行います。これは毎回の受診で行い、禁煙が進んでいるかをチェックする目安になります。
治療が受けられるようであれば、「禁煙開始日」を決め、文書で禁煙宣言を行います。その後、これまでの喫煙・禁煙歴について医師に相談しながら、禁煙のアドバイスをもらったり、自分に合った禁煙補助薬を選んでもらったりします。
2回目以降は、禁煙の状況や体調のチェック、一酸化炭素量の測定を毎回行い、その都度禁煙を続けるためのアドバイスや、禁煙補助薬が効果を出しているか、副作用などがないかも確認します。
・費用
基本の12週間、全5回で、保険が適用された場合、3割自己負担で1万3,000円~2万円程度になることが多いようです。医療機関によって診察料や、処方箋の違いにより多少費用は変動します。
6、水タバコと薄毛の関係
エジプトや中東でよく見られる水タバコ。日本でも、数は限られていますが楽しめる店があります。
水タバコは、以前は一般的なタバコに比べて健康に良いイメージがあったのですが、最近ではそうでもないことが指摘されています。
①水タバコって何?
水タバコは、ガラス製などの大きめの専用器具で吸います。フレーバーの付いた専用の葉を炭で熱し、その煙を専用の容器で水を通して吸うというものです。一般的なタバコに比べ、さまざまなフレーバーを楽しむことができます。
②水タバコは普通のたばこよりも危険だった?
水タバコは、ニコチンやタールなど、有害物質の量が一般的なタバコに比べて低いと言われていたのですが、その煙を調べたところ、実は一般的なタバコに比べて有害物質の量は多いという結果が出ています。フレーバー付けのための物質にも有害なものがあることが指摘されています。
しかも、水タバコは一般的なタバコに比べて吸う時間が長いということも問題です。
③水タバコと薄毛の関係性
一般的なタバコと同等かそれ以上に、ニコチン・タールなどの有害物質が含まれているとなれば、薄毛に関する影響もそれと同様あるいはそれ以上となってしまいます。
7、今はやりのアイコスと薄毛の関係
タバコの有害性が指摘される中で、電子タバコの注目が高まっています。
特に、利用者が急速に増えているのがアイコスです。
①アイコスの仕組み
通常、タバコは火をつけて燃やすことにより煙を発生させ、成分を吸い込みますが、アイコスではタバコを電気で熱し、水蒸気によりその成分を吸い込みます。タバコもアイコス専用のものになります。
この仕組みにより、タールと煙が出ないことがアイコスの特徴です。タールには発がん性物質を含むさまざまな有害物質が含まれているため、これをカットできるのは大きいことです。また、煙が出ないので自分にも周囲にも匂いがつきにくいというのも利点です。
②IQOS(アイコス)と薄毛の関係
タールがカットできるということで、従来のタバコに比べ体への負担が少ないと言われるアイコスですが、薄毛に関しては油断できません。なぜなら、タールはカットできてもニコチンはそのまま吸収しているため、依存性や血管の収縮などは従来のタバコと変わらずあるからです。ジヒドロテストステロンの増加についても同様に考えられます。
一時的にアイコスを使ったとしても、薄毛対策をするのであれば完全な禁煙をおすすめします。
8、副流煙にも気を付けて!副流煙と薄毛
タバコのデメリットとして、喫煙者だけでなく、副流煙により周りの人にも悪影響を及ぼすことがあげられます。
副流煙はタバコの先端から出る煙。喫煙で数煙はフィルターによりある程度の有害物質がカットされていますが、副流煙にはこれがそのまま含まれるため、副流煙には非常に有害物質の多く含まれています。
これを日常的に吸ってしまうと、喫煙以上に薄毛に悪影響が出る可能性があります。副流煙を吸いやすい環境にあるのであれば、早めに環境を改善することをおすすめします。
9、禁煙だけでは薄毛対策には十分ではありません
前述しましたが、禁煙で薄毛をとどめることはできても、薄毛を改善することはできません。
薄毛対策として禁煙すると共に、次のような薄毛対策も行いましょう。
①育毛剤の使用
育毛剤は、髪の成長を助け、促進してくれます。薄毛になっている時は、髪のこういった働きが弱っている時でもあり、そのままではなかなか髪の育成・成長が進みません。そこを育毛剤で助けることで、本来のヘアサイクルを取り戻しやすくなります。
②スカルプ系シャンプーの使用
通常、シャンプーは髪の毛をキレイにしたりケアしたりすることに重点を置いていますが、スカルプ系シャンプーは頭皮環境を改善することを重視したシャンプーです。薄毛対策をするのであれば、頭皮環境を整えることは不可欠です。これまで普通のシャンプーを使ってきたのであれば、まずはスカルプ系シャンプーに切り替えてみましょう。
③育毛サプリの利用
髪の毛を育成・成長させるためには、それだけの栄養が必要です。日頃の食事で十分に補えれば良いのですが、なかなかそれも難しいという時は、髪の毛の育成・成長のための栄養に特化した育毛サプリを活用しましょう。
どんなに頭皮環境を整えても、栄養が足りないと薄毛の改善は難しいので、他の対策と合わせて行うと効果的です。
④頭皮マッサージ
頭皮の血行不良や凝りは、必要な栄養の運搬を滞らせる可能性があります。ブラッシングをする時などに、頭皮マッサージをして血行促進をすることで、薄毛対策に良い影響をもたらします。ただし、頭皮にダメージを与えないように、優しくマッサージをすることを心掛けてください。
禁煙をする事で育毛環境を整える事ができるという事です。ただし禁煙をしたから髪が生えてくるというわけではありません。禁煙を含む生活環境を育毛環境に適した環境し、そしてスカルプ系シャンプーで頭皮環境を正常化し、育毛剤などを使用する事で薄毛改善に繋がっていきます。
残念ながら育毛には時間がかかります。根気強くこつこつと毎日の積み重ねをしていく事が大切です。
薄毛の原因をより多くなくして、育毛対策をことこつと頑張って行きましょう。