毎日、枕や床に髪の毛が落ちているのを見ると憂鬱になりますが、じっくり観察することは無いです。実は抜け毛には色々な種類があります。抜け毛の種類から毛が抜ける原因を探り、対策を考える事ができます。そこで抜けた毛の毛根にはどのような種類があり、その原因はどこからきているのか種類別に紹介します。
1、抜け毛には種類がある
①自然脱毛
髪は根が育ち、毛が生えて、伸びていき、抜けるというサイクルを繰り返します。これは老若男女誰にでもあります。平均として1日に50本以上とも言われていますが、換毛期のような時期には200本以上抜ける事があります。人の髪の毛は平均10万本と言われていますから、最大でも200分の1です。自然に抜けていく毛に関しては、見た目も違和感が無く、許容できるものがほとんどです。
②異常脱毛
毛が抜けること自体は同じなので、やはり気になる方にとっては通常の脱毛も気になります。しかし異常脱毛とは、ヘアサイクルの途中で抜けてしまう毛でもあり、他の毛と比べると細く、引っ張るとすぐにちぎれてしまうものです。このような毛が多く抜けている場合、頭皮の血流が悪く、栄養が行き届かずに異常脱毛が起こっています。
2、毛根の形で抜け毛の原因や髪の健康状態がわかる?
①健康な髪の毛根
健康な髪には正常な毛根が生えています。本来、毛根は皮膚の下にあり、毛の上の毛根鞘が直接皮膚の細胞に触れないような状態になっています。抜け毛を数本、残しておき白い紙の上に乗せて、見比べてみるとわかり易いと思います。またそのような髪はひっぱっても切れにくく、こしもあり、やせ細っている印象の髪はないです。髪質の問題もありますが、抜け毛の多い方は、髪が痩せてきている点が気になってきます。
②毛根が細くなっている
毛根が細くなっているのは、明らかに丸みが無いというほどではないが、本来よりも小さめで丸みが少ないという状態です。まさに根が痩せていくかの状態です。根が細くなれば栄養は髪全体に届きづらくなり髪の毛自体も細くなっていきます。周辺の髪と比較して細い髪や縮れている髪など、様子の違う髪を抜いてみると毛根が細くなっていることもあります。
③毛根がなくなって棒のようになっている
棒の様な毛根は、見た目もそのまま髪の毛の途中で切れたのではと疑うようなものや、多少のふくらみはあるが、ほぼ丸みが無いなどの形です。抜け毛の代表ともいえますが、これは根が育っていない状態です。この状態はこれから抜けていく毛が増えていくサインとも言われているので見つけた時には頭皮の状態に注意が必要です。
④毛根の先端から毛が生えている
植物の根から草が生え、土の下に草が生える事がないように、毛根の下に小さな毛が生えている毛根は異常な状態といえます。これは毛母細胞で作られている新たな毛が、一緒に抜けてしまっている状態です。つまり次に生えるはずだった毛が道連れになって無くなってしまっているということです。ですから新たな毛が生えてくるのが遅くなる、または毛が生えてこない可能性が出てきます。
⑤毛根がギザギザになっている
毛根がギザギザになっているのは、成長の途中で栄養が来たり、来なかったりという状態が繰り返されている事を意味します。伸びている最中に栄養が少なくなれば、少ないなりに成長しようと細くなり、栄養が多くこれば、その分大きくなります。これが毛根全体にいきわたらずに部分的に成長し繰り返されて、いびつな形になります。その主な原因はストレスや過度なダイエットです。
⑥毛根がとがっている
毛根が尖っている時には、円形脱毛症の典型的な毛根の形であり、相当なストレスがかかっている、または内臓に問題があるかもしれないことを示唆しています。このような状態は、本当に頭皮の分かれ道です。頭皮だけでなく心身共に健康になることで毛根が復活することができますが、ここでさらに無理をすると大きなダメージが残ってしまい、薄毛になってしまうこともあります。
⑦毛根に白い物がついている
毛根に白いものがある時には、その状態をみてみると、健康な毛根には薄く半透明な白い幕が毛を等しくカバーしている状態のものがあります。毛根鞘とよばれるもので、毛が抜ける際いっしょに落ちてきているもので問題はありません。ただし、べたついている、等しく覆っている感じではない、半透明よりも濁っている白色である場合、皮脂やシャンプーの残りなど、頭皮に症状が起こる原因であることがあります。
⑧毛根が黒い
毛根さやが残り毛根は少し白っぽく見えます。また毛が抜けるということは、ヘアサイクルの最終地点まで行きついた毛ですから色素も薄くなっていることが多いです。特に年齢を重ねている方には白髪が抜ける事も多いですが、毛根が黒いということは、成長途中で抜けている可能性もあります。つまり毛が生え続ける力が弱く、ハラハラと抜け落ちて行っているという可能性もあります。
3、毎日100本抜ける脱毛は異常脱毛?
正確に毎日抜ける毛を数える方は、余程の閉鎖空間で動き回っている方以外難しいです。歩いていても毛は抜けますし、髪を洗い、櫛でとき、ドライヤーで乾かす時は、思ったよりも毛が抜けています。また髪の長さによっても髪が抜けた量の印象が変わります。100本の髪の毛が抜けるといわれると驚きますが一度に抜けるわけではないですし、10万本の中のヘアサイクルの終末期の髪ですので、すぐに新しい毛が生えてきます。ただ一日ではなく、一度に100本抜けたのであれば、それは大きな問題です。
4、毛根の構造と役割
毛根は植物の根であり毛細血管から栄養を取りこんで毛を育てています。毛根の最も下にある毛球はマッチ棒の丸い部分のような形で、その中にある毛乳頭が毛細血管から栄養を取り、毛乳頭の上にある毛母細胞が毛を作っていき、メラノサイトが髪を黒くします。この毛球から皮膚の表面までの髪の毛を毛根といいます。そしてこの毛根を皮脂腺と毛根さやが覆っています。
5、毛周期と抜け毛の関係
毛周期、ヘアサイクルともいいますが、毛球から毛が生え始める成長初期、毛母細胞が活発に動き毛が成長する成長期、細胞分裂がとまり、毛根が退化を始め毛が伸びなくなる退行期、そして毛が抜け落ち何もない状態の休止期となります。このサイクルは約5年といわれています。ちなみに体の全ての毛が5年でヘアサイクルを繰り返すのではなく、いわゆる体毛と呼ばれるものは1年前後で動きます。だから短い状態で留まっているわけです。そしてこのサイクルが狂うことで抜け毛が目立つようになります。
6、毛根が死滅すると
毛が生えなくなった原因は毛根を育てるための毛根周辺細胞が働いていない状態であり、詳しくは主に毛乳頭といわれる毛細血管から栄養を取りこんで毛を作る組織ですが、この毛乳頭が働かないまたは無くなった状態を指します。この状態を毛根が死滅すると表現しています。ただ毛が抜けた時点で毛が生えるための細胞以外は死んだ細胞です。
7、毛根を復活させる方法とは
毛根が死滅すれば毛が生えませんが、毛が生えないからといって毛根が死滅したとは限らないです。多くの場合が毛根は生きています。ただ弱っている状態です。つまり冬眠している毛根を起こすことが目的ですが、毛細血管を活性化させ、栄養を行き届かせる方法や、成長因子を促す薬剤を注射する方法、毛母細胞に活力を与えるために、自分の幹細胞を注射する方法など、さまざまな方法があります。
8、異常脱毛の改善方法
①スカルプシャンプーの使用
通常のシャンプーとは違いスカルプシャンプーとは頭皮のケアに重点をおいています。スカルプとは頭皮という意味です。今までのシャンプーは髪の毛を綺麗にすることを重視しており、実は洗浄能力が高すぎた上に、髪への栄養ばかりを求めていました。しかし過剰な洗浄力は返って必要な栄養分も剥がれてしまい、それをカバーするために皮脂の分泌や過剰細胞の活動が行われ毛穴がつまり、ヘアサイクルが乱れていくのです。
②育毛剤の使用
まずは育毛剤と発毛剤の違いですが、育毛剤は毛を育て、発毛剤は毛が生えることを促進するものです。発毛剤は医薬品と認定されており、育毛剤は毛が正しくヘアサイクルに入るようにして異常な抜け毛を防ぎ、今生えている髪を太くして、髪の成長を促すものです。似ていますが扱いも効果も違いますので、注意が必要です。ただ育毛剤を使うことで頭皮に栄養をあたえ、保湿をし、傷ついている頭皮を抑え、菌の繁殖も抑えられますので、栄養が行き届きやすくなります。
③生活改善
何事も身体が資本です。そして体は日々の食事と生活で出来上がっています。頭皮に良いものを食べただけでは頭皮に栄養がいきわたらないことがあります。それは血液によって栄養がいきわたるからです。そして脳や主要臓器に栄養はいきわたりますが末端には最後にしか栄養はいかないですから、まさに足の先から頭の上まで栄養をいきわたらせるには、血液がきちんと回るからだが必要であり、血液は血管だけでなく筋肉も作用しています。一つの栄養を摂っただけでは効果は薄いです。
④ストレス発散
ストレスは体に大きな負担をかけます。これは脳が体に指令をだしている上で、ストレスを感じるのは脳ですので、全身に何らかの影響がでることがわかります。また頭皮はホルモンバランスが崩れても、湿疹が出ても悪い影響がでますが、その原因がストレスによるものも原因の一部であることは有名です。そして小さなストレスは蓄積すれば大きなものとなります。大きなストレスは、人を落ち込ませ免疫力にも影響します。ストレス発散は、頭皮だけでなく、体全体に必要なことです。