抜け毛にはいろいろな要因がありますが、多くの場合、生活習慣が影響しています。中でも、私たちの身体をつくる元となる栄養を摂取する「食事」は大切な役割を果たします。毎日の食事を気をつけることで、薄毛の対策もできます。
薄毛の原因となる食事、薄毛の対策となる食事についてご紹介します。
1.塩分の多い食べ物
塩分の摂り過ぎは高血圧の原因になります。塩分が多い食事をしていると、血液の塩分濃度が上昇します。塩分濃度の高い血液は血管の老化を進めさせ、動脈硬化を促進させてしまいます。血管の機能が低下すれば、結果的に頭皮の血流が悪くなります。血流が悪くなると、毛根へ十分な栄養が行き届かない状態になり、毛の成長を弱め、細った毛や抜けてしまう毛が増える原因となります。
塩分で育毛をサポートするIGF-1が減少?
塩を舐めると「しょっぱい」と感じます。これは、塩が知覚神経を強く刺激しているためです。この「しょっぱい」という刺激を日常的に受け続けていくと「CGRP」という物質が減っていきます。CGRPは育毛を助けるIGF-1という物質の材料です。日々「しょっぱい」と感じ続けるとCGRPの減少が進み、育毛を助けるIGF-1が作り出されなくなる原因となります。
高血圧になるとIGF-1が減少すると言われているので、塩分の摂り過ぎは薄毛を加速させる要因になることから控えるようにしましょう。
2.糖分の多い食べもの
・髪に必要な栄養素ビタミンBを大量に消費
甘いものを分解するのにビタミンB群が大量に消費されます。ビタミンB群は髪の毛の生成に必要な栄養素です。甘いものの分解でビタミンやミネラルを消費する事で、髪の毛の生成にまで必要な栄養素が行き届かなくなります。髪の毛は生命維持には関係のない器官なので、栄養素の供給が後回しにされがちです。その結果、髪の毛に栄養が行かず薄毛が進行していきます。
・中性脂肪の増加で血行不良に
糖質を多くとる事で中性脂肪が増加します。それにより血液がドロドロになり、血流が悪くなる事で毛細血管の多い頭皮には血液が行きにくくなります。その結果、発毛を促す器官である毛乳頭などに必要な栄養素が行き渡らず、薄毛が進行していきます。
・ビタミンB群の減少で過剰な皮脂分泌
ビタミンB群は糖質代謝のコントロールもしています。ビタミンB群が分解の時点で消費されてしまうと、中世脂肪となった糖質が血液をたどって頭皮の皮脂線から分泌されます。そのため、皮脂が過剰分泌されるようになります。
皮脂が過剰分泌されると、髪の毛や頭皮がべたべたとした状態になります。そして、脂漏性脱毛症へと繋がっていきます。皮脂の過剰分泌は頭皮環境の悪化原因の一つで、抜け毛の原因にもなります。
・糖質が増やした活性酵素で皮膚の老化促進
糖質には活性酵素を増やすという働きがあり、活性酵素はシミやしわの原因となっていくものです。頭皮も肌と同じなので老化していきます。また、活性酵素は、肌だけではなく毛母細胞やメラノサイトにも影響しています。そのため、白髪が増える、髪の毛が細くなる、抜け毛も多くなるなどの髪の毛のトラブルに繋がっていきます。
・血糖値が不安定になる事で情緒不安定やストレスの増加
お菓子などに含まれている単糖質を毎日のように摂取していると、血糖値の数値が不安定になります。単糖質は血糖値を急激に上げる特徴をもち、それを抑えるために多くにインスリンが分泌され、これを繰り返す事で糖尿病になります。
逆に急激に下げた血糖値が思ったところで止まらず、下がりすぎる事で低糖質症が起こり、倦怠感や切れやすくなるといった障害を起こします。
そして情緒不安定やストレスも感じやすくなります。そのため、抜け毛や白髪などに繋がることがあります。
3.動物性脂肪を多く含む食べもの(肉類)
肉や乳製品など動物性脂肪の多い食事は、カロリー過剰、脂質過剰になりがちで、血流を悪化させてしまいます。肉類にはメチオニンという髪の毛の生成に必要な必須アミノ酸が含まれており、適量であれば薄毛対策にもなるので、偏りをなくしてバランス良く摂るようにしましょう。
4.刺激の強い食べ物(炭酸飲料・ビール・唐辛子)
刺激の強い食べ物も、適量であれば血行促進作用などがあり、抜け毛に影響はなく、むしろ頭皮の状態を良くする影響があるという考え方もあります。
しかし、カプサイシンなどの刺激物には発汗作用があり、過剰に頭皮が発汗する事で脂や汗の汚れなどが付着してしまい、頭皮環境を悪化させてしまいます。
5.アルコール
適量の飲酒であれば血行促進などの効果があり、薄毛改善にも効果的だと考えられます。しかしアルコールの過剰摂取は、睡眠の質の低下、肝臓への負担、アセトアルデヒドの増加など身体への負担をもたらします。
アルコール分解に多くの栄養素を消費する事で、髪の毛の生成まで栄養が回らなくなるため、薄毛を進行させてしまいます。
6.食品添加物
食品添加物は基本的には栄養価がないもので、その他の栄養素の吸収を阻害してしまう影響もあるため、薄毛対策のためには可能な限り摂取しない方が良いでしょう。
インスタント食品には亜鉛の吸収を阻害するものなどが含まれており、せっかく毛髪の生成に必要な栄養素を摂取しても、食品添加物を摂取していると、その栄養素が失われてしまいます。
7.脂質の高い食べ物
動物性脂肪や糖質の多い食べものと共通しますが、脂質の過多で薄毛が進行します。原因は大きく二つで、一つは、脂質の多い食事を続けることによる皮脂の過剰発生です。もう一つは血流が悪くなり、髪に必要な栄養が行き届かなくなることです。これらの影響によって抜け毛が増えてしまいます。
脂肪の多い食事は肥満にもつながりますので気を付けましょう。
8.栄養バランスの悪いファーストフード
ファーストフードは、炭水化物過多、脂質過多、ビタミン不足、ミネラル不足になりがちの食べ物です。確かにすぐに食べる事ができて安価なので、ついつい食べたくなりますよね。ですが、抜け毛を抑えるためには控えるようにしましょう。